2025年3月7日(金)−9日(日)
国内外で防災のために大きく貢献し、世界の他地域でもその活動や経験が防災に役立ち、後世まで語り継がれるべき卓越した個人や団体に世界防災賞 (World Bosai Award) を授与いたします。
世界防災賞の受賞者は以下のお二人となりました。お二人の功績を多くの方々に知って頂き、あらためて防災への関心を深めていただければ幸いです。
日時 | 3月9日(金) 15:45-16:55 (WBF2025 クロージング) |
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会場 | 仙台国際センター 仙台国際センター 会議棟 2F 橘 |
活動地域 | 日本 |
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主な経歴 | |
功績 | 山奈宗真は、明治期の遠野地方を代表する実業家であり、養蚕や農業試験所の設立、私立図書館の運営など多方面で活躍しました。山奈は、1896年(明治29年)に発生した明治三陸地震津波の直後、1896年7月28日から約44日間、徒歩・馬・船を用いて、岩手県の気仙郡(現・陸前高田市)から九戸郡(現・洋野町)まで、総延長約700kmの沿岸地域を踏査し、詳細な記録を残しました。この調査は、単なる被害記録だけでなく、被災地の復興に向けた産業振興策(授産方法)の検討も含まれており、岩手県から正式に嘱託を受けて実施されました。 山奈が作成・寄贈した主な資料は以下の通りで、国立国会図書館や遠野市立博物館に所蔵されています。
これらの資料は、当時の被災状況や地形、地名の変遷を知る上で貴重な一次資料とされているとともに、後の災害研究や地域の歴史研究に多大な貢献をしています。 |
代理受取人 | 長谷川 敦子 様、菊池 直子 様 (山奈 宗真 氏の子孫) |
活動地域 | フィリピン |
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主な経歴 | フィリピン気象庁長官 |
功績 |
キンタナール博士は、フィリピンの著名な気象学者であり、約40年間にわたりフィリピン気象庁(PAGASA)の長官を務めました。 彼は1958年、29歳の若さで気象局長官に就任し、当時のフィリピン政府で最年少の長官となりました。その後、PAGASAの設立と発展に尽力し、台風や地震などの自然災害に対する予測・警報システムの強化を推進しました。特に、1970年代の台風被害を受けて、台風緩和プログラムや洪水予報システムの導入を主導し、気象災害への備えを強化しました。 国際的にも、1979年から1983年まで世界気象機関(WMO)の第8回総会議長を務め、フィリピン人として初めて同機関の議長に就任しました。また、1986年にはESCAP/WMO台風委員会事務局の設立に貢献し、アジア太平洋地域の防災協力体制の強化に寄与しました。 その功績により、キンタナール博士は数々の賞を受賞しました。1978年の「Parangal ng PAGASA」賞、1980年の「Lingkod Bayan」賞、1995年の「国際気象機関賞」、1996年の「大統領表彰」、そして2007年には「フィリピン名誉勲章(Marangal na Pinuno)」が授与されました。 博士の功績を称え、2007年には小惑星「6636 Kintanar」が彼の名にちなんで命名されました。この小惑星は火星と木星の間を公転しており、彼の科学への貢献が宇宙にも刻まれています。 ローマン・L・キンタナール博士は、フィリピン国内外での気象学の発展と防災体制の強化に多大な貢献を果たし、その遺産は現在も多くの人々に影響を与え続けています。 |
代理受取人 | ナサニエル セルバンド (Nathaniel T. Servando) 様 (フィリピン気象庁長官) |