2023年3月10日(金)−12日(日)
「世界防災フォーラム2023/IDRC2023 in SENDAI」が無事閉幕いたしました。セッション・展示・ポスター・ミニプレゼンテーション等にご協力・ご参加くださった方々、ご来場くださった多くの地元の方々に、心より御礼申し上げます。犠牲者の追悼と鎮魂、そして震災からの復興、決して震災を忘れないという想いも込めて、今開催は時期を3月に変更しました。
コロナの影響も心配されましたが、最終的に39カ国から事前会議登録者1,335名、当日参加者やEXPO参加者なども含めた人数は3日間で述べ5,412名となりました。今回は市民の方に無償参加を呼びかけた結果、より多くの方に参加いただくことができました。
会場では、口頭セッション30、カンファレンス7、ポスター発表55、ミニプレゼンテーション33、EXPO展示ブース33が展開されました。国際機関、政府、学術界、民間企業、NGO、市民の対話を通じて、災害リスク軽減の具体的な解決策を議論し、世界に情報発信しました。SDGsへの関心の高まりからインクルージョン、ジェンダーなどの側面から防災を捉えたセッションが多く開催され、女性の参加や高校生も含む若年層の方の企画したセッションが目立ちました。
今回初の試みとして、世界防災賞を制定しました。受賞者は100年前の関東大震災の際に当時の排日政策の中、躊躇わず日本を援助した米国第30代大統領カルバン・クーリッジ氏、日本からは、資金不足や厳しい逆風の中普代水門を作った岩手県普代村の元村長和村幸得氏です。どちらも防災のためにリーダーとしての責任と意志を貫き通したことが注目されました。
クロージングでは東日本大震災の復興にも携わったZiNEZ&sakkumanによるフリースタイルバスケットボールパフォーマンス、東北大学交響楽団のメンバーによる演奏、仙台市立第一中学校合唱団による合唱、May J.のステージなどが披露されました。文化芸能と防災の融合を象徴したクロージングとなりました。
そして、2023年5月に国連総会で実施される仙台防災枠組の中間評価に向けた提言を国連事務総長特別代表(防災担当)兼. 国連国際防災戦略事務局 (UNISDR) ヘッドである水鳥真美氏に手渡しました。
しかし、トルコでの大地震の発生や南海トラフ地震のリスク、気候変動の影響と思われる、頻発する大型の熱帯性低気圧などによる大きな被害など、課題は山積しています。世界防災フォーラムとしても適応の具体的な解決策を産官学民の対話の中から、女性や若者、市民の視点を大切にしながら発信してまいりたいと思います。
次回の世界防災フォーラムは2025年3月頃仙台で開催予定です。今開催の結果を踏まえつつ、より良いフォーラムとなるよう、事務局一同、終わったその日から次回の準備を進めているところです。引き続き皆さまのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。
一般財団法人世界防災フォーラム
代表理事 小野裕一
開催日程 | 2023年3月10日(金)~12日(日) |
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会場 | 仙台国際センター 〒980-0856 仙台市青葉区青葉山無番地 |
主催 | WBF国内実行委員会及びWBF国際実行委員会 |
後援 | 内閣府、復興庁、外務省、文部科学省、国土交通省、青森県、岩手県、福島県、毎日新聞社 仙台市局、朝日新聞、仙台総局、産経新聞、仙台支局、読売新聞 東北総局、NHK 仙台放送局、(株)宮城テレビ放送、tbc東北放送、仙台放送、東日本放送、エフエム仙台 |
口頭セッション30、基調講演1、さらにカンファレンス6が実施され、活発な議論が展開されました。
リストは以下のリンクからご覧ください。
防災に関連する学術研究成果のみならず、企業等における防災の実践的取組みの紹介も含め55件のポスター発表がありました。また、ポスター賞は以下の3名に決定しました。
名前 | Matias Korfmacher |
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所属 | University of Washington |
タイトル | Improving Extreme Heat Response in Washington's Healthcare Sector |
名前 | Ren-Jie Li |
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所属 | National Taiwan University of Science and Technology |
タイトル | No-code integrated database and chatbot aiding disaster-resistant communities |
名前 | Yu WATANABE |
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所属 | Tohoku University |
タイトル | Impacts of Handing Down Disaster Experiences on Storytellers and Successors: A Case Study of PBL Classes at Tohoku University |
研究者のみならず、高校生や大学生チーム、企業、市民などによる多様なプレゼンテーションがありました。
合計33の企業、団体が展示を実施しました。
27の新聞社や放送局の取材を受け、TVや新聞等で大きく報道されました。
・本体会議では、口頭セッション30、カンファレンス7、ポスター発表55、ミニプレゼンテーション33、EXPO展示ブース33が展開されました。「仙台防災枠組2015-2030」の推進と課題や、インクルージョンと防災など活発な議論がなされ、「BOSAI」の具体的な解決策を共有し、世界へ浸透させることができました。
・日本を含む40の国・地域から、1355名の会議登録者が参加しました。会議登録者の主要な所属機関は、国連を含んだ国際機関、国内外の大学等の研究機関、国内外の政府関係者、地方自治体、企業等でした。
・三日間の延べ人数では5412名(展示出展者、当日参加者含む)が参加しました。特に地元宮城から多くの方が参加されました。
・東北大学から4つの主催セッション、10 の共催セッションを実施し、東北大学および災害科学国際研究所が復興に果たした役割や防災への貢献等について国内外へ発信しました。
・世界防災賞を創設し、岩手県普代村和村幸得村長、米国第30代大統領カルビンクーリッジ、を表彰し、彼らの偉業を再び讃え、市民への防災の関心を高めることができました。
・クロージングでは東日本大震災の復興にも携わったZiNEZ&sakkumanによるフリースタイルバスケットボールパフォーマンス、東北大学交響楽団のメンバーによる演奏、仙台市立第一中学校合唱団による合唱、May J.のステージなどを実施し、文化芸能と防災の融合を実践したクロージングを実践しました。
・また、2023年5月に国連総会で実施される仙台防災枠組の中間評価に向けた提言を国連事務総長特別代表(防災担当)兼. 国連国際防災戦略事務局 (UNISDR) ヘッドである水鳥真美氏に手渡し、世界に向けて仙台防災枠組の進捗の重要性を訴えました。全文は以下のとおりです。
前文
世界防災フォーラム2023/IDRC2023 in SENDAIには、39カ国から三日間のべ5412名の参加者が集まりました。国際機関、政府、学術界、民間企業、NGO、市民の対話を通じて、災害リスク軽減の具体的な解決策を議論し、世界に情報発信しました。紛争は災害リスク軽減の最大の敵であり、仙台防災枠組、パリ協定、SDGsが目標達成に大きく遅れをとっている原因の一つであることから、世界各地の紛争問題を早期に解決してほしいという声が上がりました。一方で、災害リスク軽減に関する国際協力が、紛争問題を解決する糸口になる可能性があることも、本フォーラムでは強調されました。Covid-19パンデミックは多大な犠牲者を出しましたが、本フォーラムでは事前の備えと非常時の医療分野の維持の重要性が指摘されました。トルコとシリアの地震に関する特別セッションでは、学術界と実務家による課題と解決策が議論されました。災害リスク軽減のためには、新しい技術の開発が有効ですが、すでに世界には十分な技術があり、それが社会に浸透していないことが問題であるとの指摘がなされました。社会経済的に異なるグループが災害に対してより脆弱であるというギャップを埋めるために、災害リスク軽減における包括性と持続可能性を含む人間中心のアプローチが注目されました。災害関連博物館に関連する絵本や災害語りなどの教育・啓発は、災害体験の記憶を次世代に残すための砦となります。女性、子供、障害者の視点からの参加は、災害リスクをさらに軽減することになると、いくつかのセッションで議論されました。仙台市は、地域レベルでの災害リスクの把握に役立つ「仙台フレームワーク」の中間レビューを実施しました。「World BOSAI EXPO」として、民間企業の防災製品技術や防災関連団体の活動を紹介する展示も行われました。
今回のフォーラムでは、仙台防災枠組の中間レビュープロセスに対して、以下のような提言がなされました。