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防災徒然草

防災徒然草は、14世紀の日本の随筆家、吉田兼好が自らの体験をもとに考えたことや逸話を綴った「徒然草」を真似て、小野裕一や財団のスタッフが、日々の防災への思いを投稿するものです。

border icon能登半島にて思うこと

2024年4月22日

4月4日、「防災✕帽祭」プロジェクトで能登半島珠洲市にお伺いしました。
 
おのくんプロジェクトの新城さん、武田さんに同行し、岡山の支援団体の方が開催した運動会で、能登半島の子どもたちにプレゼントを届けることが今回の訪問の主な目的です。運動会ではパン食い競争や綱引きなどの競技が4チームに分かれて実施され、子どもたちだけでなく、多くの大人も楽しそうな時間を過ごしていました。さらにボランティアさんがブースを出して、炊き出しや生活物資の配布などを行なっており、被災された方々もとても充実した時間を過ごしていたように見えました。
 
プレゼントの中身は「防災×帽祭」プロジェクトで製作したおのくん人形です。100人を超える帽子デザイナーさんたちを中心とした協力者さんが作ってくださったおのくん用のハットもセットです。子供たちに手渡すと本当に喜んでもらえて、こちらも嬉しくなりました。大人も楽しそうでした。自分は何もしていないのにも関わらず思わず涙が出そうになりました。
 
 
炊き出しや生活必需品を被災者の方に配布していたチームのリーダの方に、市内を案内頂きました。震災からすでに3ヶ月も経っていたというのにも関わらず、未だに片付けすら終わっていない状況に言葉もありませんでした。復興にはまだまだ時間がかかることを体感するとともに、一日も早い復旧復興を願わずにはいられませんでした。
 
お手伝いの合間には東日本大震災で被災された武田さんのお話をたくさん聞かせてもらいました。「津波で全てを流され、でもそれ故ゼロからやりなおす覚悟ができた」という話。ご自身も東日本大震災当時とても大変な思いをしたにも関わらず、能登の被害を見て、「倒壊した自宅をいつまでも見なければならないと、逆にそれは辛いだろうね」と気遣う姿を見て、またしても涙が出そうになりました。
 
現在、地震に関して言えば日本国内に安全な場所はありません。すべての場所で地震が発生する可能性があります。能登や熊本、東北で起こったことは他人事ではないのです。多くの方に災害に対する備えをして頂き、ご自分の命や財産を守ることができればいいと切に思います。防災に関わることになった者の端くれとして、少しでも能登や東日本のこと、備えの大切さを伝えなければならないと決意も新たにした能登訪問でした。
能登が復興するその日まで、心の底から応援します。
吉野 記
 

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