2024年4月30日
3月9日に開催された仙台防災未来フォーラムにて、「100年前の手紙プロジェクト」の中間発表をおこないました。100年前の手紙とは、関東大震災の際に全国の学生によって綴られた、アメリカによる大規模な支援に対するお礼の手紙です。この手紙が現存することを知った私たちは、去年の夏から東北大学の川内先生とともに調査を進めています。
当日の発表では、プロジェクトメンバーである世界防災フォーラム代表理事の小野裕一、副事務局長の小野天椰、東北大学の川内先生のほか、福島県から安積高校新聞部の生徒さんも登壇しました。安積高校さんとはぼうさいこくたい(横浜)で出展した際にOBさんが私たちのブースに立ち寄っていただいたことがきっかけでご縁が生まれました。
安積高校は調査対象の手紙を書いた生徒たちが在籍していた高校で、私たちの調査について安積高校新聞でも取り上げてくださっています。
発表の冒頭では、100年前の手紙が現存していることを知ったきっかけや、初めて手紙が公開された日のことなどプロジェクト始動の背景を防災フォーラムが説明しました。
発表の中盤では川内先生が当時の様子や手紙の内容、過去の学生たちの思いを読み解き、日米両国が抱く両国関係改善への想いに触れながら「防災と平和」というキーワードで話を結びました。
続く安積高校新聞部の生徒さんは、関東から遠く離れた福島県の安積高校でも学校全体で一体となり関東大震災の支援を行っていたことなど、新聞記事作成を通して過去から多くの学びを得たことを会場に共有していました。「過去の教訓を今に生かしてほしい。現在の自然災害や戦争は、防災の観点から見ても、助け合いの観点から見ても自分事として捉えてほしいと伝えたい」という現在の高校生の言葉に過去の学生たちの思いが重なる印象深い締めくくりでした。
このプロジェクトを通じて、過去現在の学生たちが「防災と平和」に寄せた想いが多くの方に伝わることを願っています。
当日のプログラム | ・100年前の手紙プロジェクトとは ・なぜ、手紙はアメリカに届けられたのか?―関東大震災と日米関係― ・手紙の教訓をいまに生かす |
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セッション登壇者 | 世界防災フォーラム 小野 天椰 東北大学災害科学国際研究所 川内 淳史 福島県立安積高等学校新聞部 代表 2名 |
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