WBF 2019 報告

ごあいさつ

「世界防災フォーラム/防災ダボス会議@仙台2019」が、大成功のうちに閉幕いたしました。セッション・展示・ポスター・ミニプレゼンテーション等にご協力・ご参加くださった方々、ご来場くださった多くの地元の方々に、心より御礼申し上げます。

38の国・地域から、871名の会議登録者に、世界防災フォーラムへご来場いただくことができました。フォーラムとあわせてスタディツアーにもご参加いただいた方々には、東日本大震災被災地の復興状況をご覧いただきました。延べ参加者は、同時開催イベント「仙台防災未来フォーラム」「第10回震災対策技術展東北」の出展者・来場者や世界防災フォーラムへの一般市民来場者も含め約11,000名にも達し、2017年と同様、大盛況となりました。

フォーラムでは、口頭セッション50、基調講演3、ポスター発表47、ミニプレゼンテーション33、展示ブース14が展開され、「仙台防災枠組2015-2030」の推進、特にサブテーマであったグローバルターゲットEの達成に向けての議論を行い、「BOSAI」の具体的な解決策を共有し、東日本大震災の教訓の発信も含めて、質量ともに世界的なフォーラムにふさわしい内容となりました。特に若い世代や企業の方々が中心的な役割を果たしたセッションが目立ちました。

閉会式では、ポスター発表の優秀者の発表に続いて、「Chair’s Summary」を発表し、世界防災フォーラム2019における議論の主要テーマ・傾向を明らかにし、次回に向けた課題を述べました。主要テーマは以下8点でした:①仙台防災枠組ターゲットEで求められている国・地域の防災計画策定に関する進捗状況および課題、②比較的新しい防災分野が成熟してきたこと、そして残る課題、③気候変動によるリスクの変化と不確実性、④防災における民間分野の重要性、⑤防災関連の新技術およびそれらの課題、⑥若い世代・次世代の専門家らの活躍とさらなる参画の重要性、⑦災害記憶と防災意識の存続、⑧復興が可能であることです。第3回世界防災フォーラムにおいて、民間セクターおよび若年層のより積極的な参画を促すこと、また、学際的なアプローチに関する企画度の高いセッションを行うことが提案されました。

ただ、頻発する災害を前に、フォーラムの成功を祝っているわけにはいきません。第2回世界防災フォーラムの成果は、東日本大震災の犠牲者や被災者の墓前に捧げる気持ちで行いました。気候変動の影響とみられる災害が世界中で多発する中、世界防災フォーラムとしても適応の具体的な解決策を産官学民の対話の中から、女性や若者の視点を大切にしながら発信してまいりたいと思います。

第3回世界防災フォーラムは、2021年の11月に開催したいと思いますが、この年は東日本大震災から10年目にあたります。それに相応しい内容のフォーラムを企画してまいりたいと思いますので、引き続き皆さまのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。

一般財団法人・世界防災フォーラム
代表理事 小野 裕一

セッション

口頭セッション50、基調講演3が実施され、活発な議論が展開されました。

ポスター・展示

ポスター

防災に関連する学術研究成果のみならず、企業等における防災の実践的取組みの紹介も含め47件のポスター発表がありました。

ポスター賞

  1. MIZAN BUSTANUL FUADY BISRI
    所属:United Nations University-Institute for the Advanced Study of Sustainability
    タイトル:SEARCH (Search Engine for Research on Risk and Resilience) - CARI! (Cerdas Antisipasi Risiko Bencana di Indonesia)
  2. 2-1 Adrian Dela Cruz Romero 発表者
    2-2 Imelda N. Oponda First author
    所属:University of Santo Tomas
    タイトル:HERSTORY: FACILITATING PARTICIPATORY DISASTER RISK ASSESSMENT TO THE SINGLE-MOTHERS OF SUB-URBAN POOR RESETTLEMENT HOUSING IN PHILIPPINES
  3. An Chi CHENG
    所属:Tohoku University
    タイトル:A proposed framework for clarifying consequence impacts chain of tsunami hazards on global seaborne network

展示

以下の14団体による展示が行われました。
宮城大学 / 日本BCP(株) / 高知工科大学/研究開発法人 情報通信研究機構 / 国立研究開発法人 防災科学技術研究所 / GADRI、京都大学 / CONSAM株式会社 / 東京大学 / 富士技術出版株式会社 / 一般社団法人 日本防災プラットフォーム / トラスティア株式会社 / 独立行政法人 国際協力機構 / 株式会社 STARIDER / 株式会社 ウェザーニュース

ミニプレゼンテーション

研究者のみならず、高校生や大学生チーム、企業、市民などによる多様なプレゼンテーションがありました。

世界防災フォーラム2019実施報告

1. 概要

日時

令和元(2019)年11月9日(土)~12日(火)

場所

仙台国際センター会議棟/ 東北大学 川内萩ホール

主要な成果

  • 本体会議では、口頭セッション50、基調講演3、ポスター発表47、フラッシュトーク33、展示ブース14が展開され、「仙台防災枠組2015-2030」の推進、特にグローバルターゲットEの達成に向けての議論を行い、「BOSAI」の具体的な解決策を共有し、世界へ浸透させることができた。
  • 日本を含む38の国・地域から、871名の会議登録者が参加した。会議登録者の主要な所属機関は、国連を含んだ国際機関、国内外の大学等の研究機関、国内外の政府関係者、地方自治体、企業等であった。
  • 9日(土)前日祭(無料・一般公開)では、一般市民や報道関係者、登壇者・出演者なども含め、約450名が参加した。
  • 上記前日祭、本体会議、ならびに同時開催関連イベント「仙台防災未来フォーラム」(11月10日)および「第10回震災対策技術展東北」(11月10日~11日)の延べ来場者数は8,000人となり、盛況となった。
  • 仙台市主催のスタディツアーでは、国外からの参加者を中心に、東日本大震災の経験や教訓、復興状況について理解を深めた。
  • 東北大学大野英男総長、原信義理事・副学長、今村文彦IRIDeS所長が主要な場面で挨拶・発表を行い、東北大学および災害科学国際研究所が復興に果たした役割等について国内外へ発信した。
  • 閉会式では、「Chair’s Summary」を発表し、世界防災フォーラム2019における議論の主要テーマ・傾向を明らかにし、次回に向けた課題を述べた。主要テーマは以下8点であった:①仙台防災枠組ターゲットEで求められている国・地域の防災計画策定に関する進捗状況および課題、②比較的新しい防災分野が成熟してきたこと、そして残る課題、③気候変動によるリスクの変化と不確実性、④防災における民間分野の重要性、⑤防災関連の新技術およびそれらの課題、⑥若い世代・次世代の専門家らの活躍とさらなる参画の重要性、⑦災害記憶と防災意識の存続、⑧復興が可能であること。また、第3回世界防災フォーラムにおいて、民間セクターおよび若年層のより積極的な参画を促すこと、また、学際的なアプローチに関する企画度の高いセッションを行うことが提案された。

今後の予定について

  • 2020年に国際災害リスク会議(通称:防災ダボス会議)への参加を検討
  • 2021年秋頃、「第3回世界防災フォーラム」の東北での開催を検討

2. 報道関係

取材メディア数:32件
記事掲載・ニュース放映実績:11件

※前回、WBF2017では 124件(新聞79、ウェブ33、テレビ10、ラジオ2)(11月25日~12月25日)

3. フォーラムの様子

前日祭(閖上太鼓)

開会式

ハイレベルランチ

レセプション

口頭セッション

基調講演

ポスター発表

フラッシュトーク

展示

閉会式

閉会式

議長サマリー