WBF 2017 報告
実行委員長より
「世界防災フォーラム/防災ダボス会議@仙台2017」が、大成功のうちに閉幕いたしました。セッション・展示・ポスター・ミニプレゼンテーション等にご協力・ご参加くださった方々、ご来場くださった多くの地元の方々に、心より御礼申し上げます。
40以上の国・地域から、900名以上の会議登録者に、世界防災フォーラムへご来場いただくことができました。フォーラムとあわせてスタディツアー、エクスカーションにもご参加いただいた方々には、東日本大震災被災地の復興状況や東北の魅力を体験いただきました。延べ参加者は、同時開催イベント「ぼうさいこくたい」「防災産業展」の出展者・来場者や世界防災フォーラムへの一般市民来場者も含め約11,200名にも達し、大盛況となりました。
世界防災フォーラムでは、東日本大震災の知見や経験が共有され、具体的な解決策が議論されました。「BOSAI」を世界へ発信しながら、国際的な防災指針「仙台防災枠組」の実施を推進することを目指しましたが、多様な人々がさまざまな角度から防災を話し合い、市民や若い世代も参加されたのが特長でした。世界防災フォーラムが、世界最先端の防災技術・学術・知識を共有する場となっただけでなく、豊かな文化交流の機会ともなりましたことを、大変喜ばしく思っています。
世界防災フォーラムの成功にご尽力くださったすべての方々に、重ねて御礼申し上げます。今後も、国際社会との連携を深めながら、防災社会の構築に尽力してまいりますので、引き続き皆さまのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。
世界防災フォーラム実行委員長
今村 文彦
実行委員長サマリー
最終日に行われた閉会式において、4日間の議論内容等を総括し、今後の展望に言及したChair’s Summary(実行委員長サマリー)が発表されました。同文書では、科学と技術、政策と財政、社会と文化という3つの表題のもとに主要事項が要約されたほか、新産業の創成などを含む「よりよい復興」の概念や「リスクの文化」の涵養の重要性など、仙台防災枠組2015-2030の柱となる事項の展望についても言及されています。
World Bosai Survey
本調査は、世界の防災専門家や市民の方々の防災意識の傾向を仙台防災枠組を基盤とした設問によって明らかにし、今後の世界の防災政策等に生かしていただくことを目的として実施しました。世界規模での防災意識についての調査はこれまで一度も実施されたことがなく、おそらく世界初となります。
写真・動画
前日祭
第1部では、東日本大震災発生時から今日までを振り返り、岩手・宮城・福島県の若い世代が防災活動を発表した後、阪神・淡路大震災や南海トラフ巨大地震に備える高知県黒潮町の知見も交え、防災社会を議論するパネルディスカッションを行いました。第2部では、国内外から寄せられた支援への感謝の気持ちを込めた気仙沼・浪板虎舞が披露された後、仙台フィルメンバーによるアンサンブル・NHK少年少女合唱隊による復興祈念コンサートを実施し、「花は咲く」の合唱で締めくくりました。防災の文化面の重要性を再認識しながら、震災経験を国内外・未来へつなぐことを目指した本前日祭は、参加者の賛同と感動を呼びました。
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第1部 青少年からのメッセージ
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第2部 SENDAI BOSAI 文化祭
セッション
オープニング
「防災推進国民大会2017」との合同オープニングでは、「連携」の機会を活かした新たな価値の産出へ期待が寄せられました。
フォーラムのオープニングでは、震災で家族を失いながらも、未来に向かって努力している高校生・大学生に決意発表をいただきました。また、国連事務総長特別代表(防災担当)のロバート・グラッサー氏より、日本が防災のために取り組んでいる指導についての感謝の言葉が述べられ、本フォーラムが仙台防災枠組を推進していくことへの期待が寄せられました。
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合同オープニング
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フォーラムオープニング
セッション
49のセッション(16の公開セッション、33の一般セッション)が実施され、活発な議論が展開されました。
ポスター・展示
ポスター
防災に関連する学術研究成果のみならず、企業等における防災の実践的取組みの紹介も含め93件のポスター発表がありました。発表コアタイム時には、ポスター会場となった3階ホワイエは発表者とポスター発表を聞きに訪れた参加者で賑わい、活発な議論が行われました。富士技術出版の協賛でポスター賞が設けられ、以下のポスターが受賞しました。
ベストポスター賞
- Choon Yong Heng
- "Doomsday Rehearsal: Architecture for Pre-Disaster Education and 2020 Tokyo Olympics The Year of Disaster Prevention Global Classroom"
ポスター賞
- Erick Mas and Daniel Felsenstein
- "Dynamic Integrated Model for Disaster Management and Socio-Economic Analysis (DIM2SEA) - A Japan-Israel Project"
- Giriraj Amarnath, Shuhei Yoshimoto; Vladimir Smakhtin and Pramod Aggarwal
- "Mapping Multiple Climate-related Hazards in South Asia"
- Kwanchai Pakoksung, Anawat Suppasri, Panon Latcharote, Abdul Muhari, Fumihiko Imamura, Ke Lin, Priza Kayestha, Koji Yamamoto and Shigeko Tabuchi
- "Global tsunami risk assessment: Industry-academic collaboration under Willis Research Network (WRN)"
- Andreas Nikolaus Küppers, Martin Hammitzsch & the ARISTOTLE Project Team
- "ARISTOTLE & The EU Civil Protection Mechanism"
- Giriraj Amarnath, Karthikeyan Matheswaran, Niranga Alahacoon, Ravinder Malik, Pramod Aggarwal and Alok Sikka
- "Investing in Disaster Resilience: Risk Transfer through Flood Insurance in South Asia"
展示
以下12の団体による展示が行われました。
一般社団法人 日本自動販売機利活用社会貢献事業機構/富士技術出版株式会社/岩手日報社/株式会社ウェザーニューズ/エルゼビア・ジャパン株式会社/独立行政法人 国際協力機構/東北大学災害科学国際研究所/東北大学 教育・学生支援部 留学生課/仙台市/世界防災研究所連合/USMCA/ISDM/ACUDR/ISSS
ミニプレゼンテーション
各12分の時間を使い、27の発表が行われました。研究者のみならず、高校生や大学生チーム、企業、市民などによる多様なプレゼンテーションがありました。休憩ラウンジそばのオープンスペースで行われたため、その場で立ち寄る人も多く、フォーラムの雰囲気も一層盛り上がりました。
スタディツアー・エクスカーション
仙台市が、青森県・岩手県・宮城県・福島県と連携し、フォーラム参加者に対して、仙台市及び仙台市近郊の復興の状況や防災の取り組みをご覧いただくスタディツアーや、東北の復興状況に加え、自然、歴史、食などの多様な魅力を体験いただくエクスカーションを実施しました。
スタディツアーとエクスカーション合わせて、30の国と地域から延べ171名が参加しました。
S5 荒浜小学校
C 楢葉遠隔技術開発センター
スタディツアーの概要
実施日 | コース名 | 主な視察先 | 参加者数 |
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26日 | S1 | 荒浜小学校~メモリアル交流館 | 18名 |
27日 | S2 | 荒浜小学校~東部道路津波避難階段 | 13名 |
S3 | 南蒲生浄化センター~津波避難タワー~キリンビール仙台工場 | 23名 | |
S4 | 岩沼市千年希望の丘~名取市閖上~荒浜小学校~もろやファームキッチン | 14名 | |
28日 | S5 | 海岸公園荒浜地区~荒浜小学校~メモリアル交流館 | 34名 |
合計 | 主な国と地域:フィリピン(16)、イラン(13)、アメリカ(9)、中国(7)、タイ(6)、台湾(5)、カンボジア・ドイツ・インドネシア(各4) | 28の国と地域 102名 |
エクスカーションの概要
実施日 | コース名 | 主な視察先 | 参加者数 |
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28日~29日 | A 岩手県コース | 遠野市後方支援資料館、宝来館(宿泊)、三陸鉄道「震災学習列車」、陸前高田奇跡の一本松、世界遺産平泉中尊寺 | 18名 |
B 宮城県コース | 南三陸町防災対策庁舎・南三陸町役場(佐藤町長から講和)、南三陸ホテル観洋(宿泊)、石巻市内、松島(五大堂・瑞巌寺) | 22名 | |
C 福島県コース | 常磐自動車道、楢葉遠隔技術開発センター、スパリゾートハワイアンズ(宿泊)、いわき市内、アクアマリンふくしま | 14名 | |
D 青森県コース | 八戸屋形船、八戸屋台村みろく横丁、陸奥湊駅前朝市、蕪嶋、種差海岸 | 15名 | |
合計 | 主な国と地域:イラン(14)、タイ(8)、インドネシア(7)、中国(6)、ドイツ(5)、オーストラリア・フランス・メキシコ・台湾・トルコ・イギリス(各3) | 19の国と地域 69名 |
実施報告書
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